ばけもの
私は実年齢よりも若く見られる。
幼い頃は老けて見られたのだが、25才を過ぎたあたりから逆転した。同時に周囲から美人だといわれるようになった。自分ではさほど思わないが、言われた言葉はありがたく頂戴した。謙遜をし過ぎるのも相手に失礼だから。
しかし、母は容赦がない。
「あんだ、ばけものだな」
「はあ?」
「その歳で、全然皺が無い」
「最近、目の下に出てきたよ」
「でも全然目立たない」
「まあねー」
そうなのだ。実年齢よりも私は少し加齢が遅いようなのである。でも、遅かれ早かれなので、誇れることでもない。
しかし、ばけものって。正直すぎるだろう。我が母の言葉は一味違う。